伊原 直子(アルト)
Naoko Ihara (Alto) 



東京芸術大学卒業。同大学院修了。1967年安宅賞受賞。1970年芸術選奨文部大臣新人賞、及びM.B.C.A.J賞受賞。第8回ウィンナワールドオペラ賞(現ジローオペラ賞)大賞受賞。1971年西独政府給費留学生としてミュンヘン国立音楽大学に留学し、E・ヘフリガーに師事。傍らベルリン歌劇場他、ドイツやスイス各地でオラトリオを歌う。戸田敏子、中山悌一、E・ヘフリガーの諸氏に師事。1969年「ラインの黄金」のエルダでオペラデビュー。続いて「カルメン」のタイトルロールで好評を博す。N響はじめ主要オーケストラと共演し高い評価を得る。1975年フランスのラインオペラ(ストラスブール歌劇場)と専属契約を結び、「カルメン」「オルフェウス」「ジークフリート」等に出演。ザルツブルグ、ルクセンブルグ、ヘルブルン音楽祭、西独にて「ボリス・ゴドゥノフ」「カルメン」に出演し、コンサートでは「復活」「マタイ受難曲」等、数多く歌う。1980年二期会オペラ公演「カルメン」のタイトルロール、「トロヴァトーレ」(A・エレーデ指揮)のアズチェーナ役を演唱、好評を得る。その後もフランス、ベルギー等で活躍し、1981年に帰国。その後「アイーダ」「ペレアスとメリザンド」「ワルキューレ」等に出演。1989年ボストン交響楽団とボストン、香港、日本でマーラー「復活」のソリストを務めた。1990年2月の二期会創立40周年記念公演「蝶々夫人」のスズキで好評を博し、7月にはサヴォリンナ・オペラフェスティバル(フィンランド)に参加し同公演に出演。1991年2月の「リゴレット」、7月には「神々の黄昏」を歌い、殊に後者への出演で22年の年月をもって完結した二期会の〈リング〉四部作全部に出演した唯一の歌い手となり、名実共に日本を代表するプリマドンナとしての地位はより一層揺るぎないものとなる。コンサートへの出演も精力的で、とりわけマーラーのスペシャリストとしての名声が高く、主要オーケストラとの共演も多数に及ぶ。二期会会員。日本声楽アカデミー会員。